はずれものの成功哲学?
正月早々面白い本を読んだ。 アメリカではカリスマ的な人気を誇るマルコム・グラッドウェル(Malcolm Gladwell)の新作、Outliers-The Story of Successアウトライアー(成功の物語)だ。
グラッドウェルは、しかし、一部の先進者の間では大人気なものの、何故かそれ程有名な作家ではない。(そう言えば勝間和代さんも大好きな作家のひとりだ、と言っていたなぁ。)
「ティッピング・ポイント」、「第一感」と寡作な彼の著書は翻訳されている、というのにだ。 何ともったいない、、、タイトルがイマイチだからだろうか?
ただ、彼のタイトルは何時も秀逸だ。勿論、元々の英語のタイトルは、ということになるが。最初から心に「粘りつく」言葉をうまく持ってきている。陳腐、では無いが何となく分かる、という程度に引っかかる言葉。 自分も本を出すようになって気がついたことだけど、これが本当に難しい、、、、、
今回は統計学の言葉を持ってきた。アウトライアー、外れ値、という事らしい。その他、飛び地、という意味もある。例えば、一月の東京の平均気温が8度、だとすると、20度の日があると、それをアウトライアーという。
この二つのダブルミーニングが上手く聞いている。ここらへんが彼のニクいところだ。
人間は何故成功するのだろうか?私も関わり現在何万冊も出版されているビジネス書も自己啓発書もつきつめればこの問いに行きつく。そして、答えもまた何万もありえるだろう。
問題は、その多くが後付けの、そしてカッコつけたものだ、という事にある。多くの成功者は自分が何故成功したのか、なんてわかっていないのだ。だからしょーもない、ありきたりの答えでお茶を濁す、やっぱり努力かな、神様のおかげ、仏さんの、、、、、ホントかよ!
アウトライアーたるグラッドウェルは勿論そんな説明では満足しない。そして多くの実例にあたり、大いなる発見をした。それは、
成功を、個人の努力だけに帰結させるのは間違っている。それを可能にさせた家庭や環境や文化のコンテクストまでを考えなくてはならない。彼らは荒野の中にそそり立つ孤高の大木ではない。多くの水と栄養を供給した森があったからこそ、大木に育ったのだ。
そうなのだ。自分のことを考えても頷ける。自分が本好きになったのは、親父が本好きだったからだ、そして英語が話せるようになったのは隣に何時も外人女性を連れて歩いている不思議なおっさんがいたからだ。
そうなのだ!この人、故峯島喜男先生がいなければ田舎のガキだった自分は英語をマスターすることは出来なかった。それは謙遜では無く事実だ。彼が外人を見ると逃げていた自分にアメリカを教え英語を教えてくれたのだ。それは才能があったからでは全くない、ただ稀有な機会に恵まれた、と云う事だったんだ。
僕らは自分が思う以上に環境の産物なのだ。そこで彼のダブルミーニングのタイトルが効いてくる。規格外の成功者(アウトライアー)は決して外れ者(アウトライアー)ではない。うーん、悔しくてマルコムの頭をはたきたくなるぞ。上手すぎる!
もともと一人っ子で人づきあいが(人懐っこい割には)下手な自分にはありがたーい本だった。これからはもっともっと人を大切に生きていこうと誓って、この本を抱いて寝た私。
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